愛着形成には、4つのステップがあります。
それぞれのステップを一つずつクリアすることで、愛着が形成されていきます。
どこかのステップをクリアできなかったり、不十分なまま次のステップにいってしまったりすると、愛着障害と呼ばれる状態になります。
※愛着障害につきましてはこちらで詳しく説明させて頂いています。
愛着形成の4つのステップ
愛着が形成されるには、4つのステップをしっかりとクリアしていく必要があります。
4つのステップをクリアすると、愛着が安全基地として心の中に内在化されます。
※愛着の安全基地の内在化についてはこちらでご説明しています。
母子一体
妊娠中~産後間もなくの間は、母子一体の時期です。
この時期は、母親がストレスを感じれば赤ちゃんもストレスを感じ、赤ちゃんが泣くと母親がオムツを交換してくれたり、あやしてくれたりする時期です。
赤ちゃんにとっては、母親と自分が一体となっています。
母子一体の時期に、母親がしっかりと赤ちゃんの不快感を取り除いてあげたり、安心感を与えてあげられると、愛着の基礎がしっかりと出来上がります。
母子共生
母子一体であった状態から、赤ちゃんは指しゃぶりをしたり、体を動かすことで、母親とは別の自分の体を認識していきます。
すると、赤ちゃんは母親と自分は別の存在であると認識しはじめ、母子一体の状態から、母子共生の状態に移ります。
母親とは別の存在とは言え、母親がいないと生きていけない状態です。
この時期に、母親から肯定的な言葉がけ・スキンシップ・アイコンタクトを与えられると、母親とは別の存在でも大丈夫であるという安心感・安全感・自己重要感が育っていきます。
※愛着形成に重要な3つの関わりにつきましてはこちらでご説明しています。
移行期
愛着が形成されてくると、安心感・安全感・自己重要感が育ってきます。
すると、母親から離れて行動することが出来るようになってきます。
母子共生の状態から、移行期に移ります。
この時期は、まだまだ母親の目の届く範囲での行動しかできません。
母親が目の前からいなくなると、泣き出したりしてしまいます。
練習期
練習期にはいると、母親の目が届かない範囲でも行動することが出来るようになります。
愛着がしっかりと形成され、自分だけでも大丈夫であるという感覚が強くなっています。
外で何かあれば母親の元に戻り、安心したらまた外に行く、といったことを繰り返します。
母親がいなくても、行動出来るようになるための練習をする時期です。
4ステップをクリアすると愛着が内在化する
母子一体・母子共生・移行期・練習期をしっかりとクリアすると、愛着が内在化されます。
内在化というのは、母親の存在が自分の心の中に出来るということです。
安心・安全・自己重要感の元である母親の存在が心の中にあるので、新しいことに挑戦したり、何か失敗しても立ち直ることが出来ます。
※愛着がしっかりと形成されているかを確かめるための目安については、こちらでご説明しています。
どこかのステップをクリアしていないと大人になって問題を抱える
4ステップのどこかの時期をクリアしていないと、人は大人になって問題をかかえてしまいます。
母子一体が不十分な場合
自己中心的になり、ストーカー・DV・束縛などの問題につながります。
※母子一体が不十分な場合の問題についてはこちらでご説明しています。
母子共生が不十分な場合
依存的になり、人の要求をことわれなくなったり、自分のことを決められなくなったりします。
※母子共生が不十分な場合の問題についてはこちらでご説明しています。
移行期が不十分な場合
人との距離感がつかめなくなり、親しくない相手に自分の深い話をしてしまったり、親しい間柄なのに、心理的な距離を近づけることが出来なくなったりします。
※移行期が不十分な場合の問題についてはこちらでご説明しています。
この記事は以上になります。
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