共依存というのは、共に依存し合う関係のことを言います。
一般的には、苦しい人間関係に対して使われる言葉です。
では、どんな人間関係のことを共依存と言うのでしょうか?
共依存とは?
共依存というのは、元々アルコール依存症者とその家族との関係のことを言います。
そこから概念が拡大していき、今では恋愛や親子関係における苦しい関係にまで共依存という言葉が使われるようになりました。
共依存において大切なのは、あくまで苦しい人間関係に対しての概念であるという点です。
元々人間は、他人に頼る必要があるので、どんな人間関係も共依存の要素があります。
ですが、人間関係において、苦しさがあるのに離れられない関係には心理的な病理があります。
そういった苦しいのに離れられない人間関係を共依存と言います。
なぜ共依存は苦しいのに離れられないのか?
共依存には、精神的な苦しみが伴います。
人間関係において、苦しい関係であった場合には、単にお互いが離れれば問題は解決します。
ですが、問題になるのは、苦しさがあるのに離れられない場合です。
なぜ離れられないかと言えば、苦しい以上に求めてしまう何かがあるからです。
苦しみよりも、その関係の中で満たされる何かの要求を選んでいる状態が共依存です。
苦しみより優先される要求とは?
共依存の方が求めているものとは何なのでしょうか?
それは、自己重要感です。
自己重要感というのは、自分が必要な存在であり、大切なもの、重要なものであるという感覚のことです。
自己重要感は、幼少期の母親(第一養育者)との関係の中で作られます。
※自己重要感がうまく作られていない状態を愛着障害と言います。
自己重要感は、人間が何よりも求めている感覚です。
人間が発達・発展していく上での土台となる感覚です。
ですから、自己重要感が上手く作られていないと、大人になっても求め続けます。
共依存においては、この自己重要感が一時的に満たされることで、苦しみがあっても離れられない状態になります。
共依存では自己重要感が本当の意味で満たされることはない
共依存において、自己重要感は本当の意味で満たされることはありません。
仮初めの自己重要感です。
相手ありきの自己重要感です。
ですから、相手がいないと自己重要感がなくなってしまいます。
苦しいから離れたいけど、仮初めでも一時的でも自己重要感が満たされるので、一緒に居続ける。
共依存が苦しく、問題になるのは、こうした悪循環の中に居続けてしまうからです。
悪循環から抜けて共依存を解決する方法
共依存の問題を解決するには、自分の中に自己重要感を作っていくしかありません。
自分で自分を認めて、受け入れられるようになれば、相手が必要なくなります。
そして、本当に自分にとって大切で必要な人間関係を選び、結ぶことができるようになります。
この記事は以上になります。